Category [俳句 ] 記事一覧

一月の句綴り

1/1  八重垣をなせる稜線初明り1/2  巫女のふる鈴音の空へ年新た1/3  山水の去年より流れ来し音か1/4  喪の人の賀状なきこと哀しめり1/5  小寒や雪野に影のひとつだに1/6  武蔵野の雲とおよぐや梯子乗1/7  よく笑ふ子の紅顔や七日粥1/8  母ひとり子ひとり成人式の夜よ1/9  日に映ゆる少女の和毛春小袖1/10 街道の此処より峠鐘氷る1/11 オリオンの真下かそけし海人(あま)...

師走の句綴り

12/1  水神の統べるあふみや北颪12/2  手弱女の息もて熾す備長炭12/3  ほとばしる水にうたすや赤かぶら12/4  河豚鍋や賭して今世(こんぜ)を生ききたり12/5  人の世の四角を丸く炬燵猫12/6  明日香野に青女(せいにょ)の舞へる朝かな       *青女=霜12/7  大雪(たいせつ)や旧街道の寂ふかく12/8  指切りて約すあしたや冬落暉12/9  父の座の褞袍の父ぞ懐かしき...

霜月の句綴り

11/1  玉章の枯びし蔓をひけば揺れ      *玉章(たまずさ)=烏瓜11/2  草の香の失せし路辺や露時雨11/3  掌にかすか油のにほひ夜学生11/4  大淀に舫ふ木舟や秋気澄む11/5  やみくもに叩く小啄木鳥や木から木へ11/6  山影の落ちし過疎の田紫雲英撒く11/7  バーナーの火の蒼々と冬立てり11/8  冬麗の海たひらかや鳶の笛11/9  掻巻や山処(やまが)に風の泣ける夜11...

神無月の句綴り

10/1  秋麗や雅楽の舞のしづやかに10/2  実柘榴や殉教の碑の日にぬれて10/3  漣は湖の言の葉律(りち)の風10/4  人の世の一夜短し望の月10/5  肩車せがむ子のゐる良夜かな10/6  錆鮎や故山の風の荒れそむる10/7  長き夜や光源氏のいつ眠る10/8  竹林の風音しるき寒露かな10/9  亡き母の箱膳いまも麦とろろ10/10 蛇穴に入るを見つむる女かな10/11 妹(いも)が...

長月の句綴り

9/1   手刀の所作うつくしや勝相撲9/2   風のなき夕の一路や一葉落つ9/3   郷老いて鵙の高音のいくたびも9/4   声かけてゆくは旅人鯊の秋9/5   身の上に耳かす炉辺秋の宿9/6   葬の夜の真なる闇やちちろ虫9/7   しらしらと夜気の消えゆく白露かな9/8   爽涼や海見るための椅子ふたつ9/9   芒野におぼるる狐狸のありなんと9/10  古釘に錆ある蚊帳の別れかな9/11 ...

葉月の句綴り

8/1   両の手を岨の肌(はだえ)へ岩清水8/2   子等の手が冷し西瓜へ突撃す8/3   神泉(じんせん)の風をいだくや薄衣8/4   樹にもたれをれば樹のこゑ晩夏光8/5   夕凪の浦や小舟のすべり出づ8/6   捨舟の底に垢水夏果つる8/7   身ほとりになじむあれこれ秋立てり8/8   雨余いよよ湧くがごとくにあきつ舞ふ8/9   六日九日踏まれし草の立ち上がる8/10  葬送の鉦をそび...

文月の句綴り

7/1   夜盗虫無辺世界の闇を食む7/2   しらしらと白き船ゆく白夜かな7/3   夏の日の水車ざんぶと濡れてをり7/4   乳房(ちちふさ)の晒布きりりと神輿舁く7/5   知恵の輪の知恵からからと青葉木菟7/6   嫋やかに大海わけて海鷂魚の鰭7/7   御仏の涼しく薄目したまへり7/8   避難所にすすり泣く子や水禍の夜7/9   掛香やセピア色なる妓の写真7/10  古文書の頁を風が昼...

水無月の句綴り

6/1   陶枕に覚めて山河の墨絵めく6/2   昼月のただ麗郎と鵤(いかる)鳴く6/3   寝冷え子の夢か手足の躍りだす6/4   人絶えし刻へ投網を渡守6/5   そよと吹く風のゆかしき芒種かな6/6   まくなぎに好かれ無数の目に射られ6/7   産土の神の聲なる田植唄6/8   出目金や泪の数を計りかね6/9   初鮎や瀬音ゆたかな峡の里6/10  甲州の空をもろとも袋掛6/11  なげ棄...

皐月の句綴り

5/1   馬刀貝の尻か頭かひよいと出づ5/2   種蒔のただ粛々と歩みをり5/3   乳房(ちちぶさ)を突きて仔馬の乳こぼす5/4   きらめきを放つ水音春の果5/5   木々のみな雄々し名を持ち夏来る5/6   薄暑光小犬に妊婦ひかれゆく5/7   若夏の蝶や愛視を惜しみなく5/8   滝壺や月下に虹を育てしむ5/9   黒潮の黒なる色や初鰹5/10  青葉若葉少女を森の妖精に5/11  北國...

卯月の句綴り

4/1   臍曲げて黙りゐる子やつくづくし4/2   思慮ふかき鷹のまなこゐ凍返る4/3   あな嬉し田楽の香も郷の香も4/4   清明やひよめきの弥かろやかに4/5   巫女舞の顎(あぎと)美し花明り4/6   寄り添うて影をひとつに花の冷え4/7   微睡みにそそぐ鳥語や養花天4/8   青柳や汝は天帝のなすままに4/9   草を摘む少女よ穢れなき空よ4/10  目瞑りて駱駝は何を霾ぐもり4/...

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